人生の第三コーナーの衣食住

ライフスタイルブログ:インテリア、家のメンテ、ソーイング、失敗続きのパン作りなどをつづっていきます

橘玲「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」を読んで

新刊書をコーヒー一杯で速読する方法

読みたい新刊書は、スタバ併設のTSUTAYAでざっと読むことにしている。

本は買ってメルカリで売れば、定価よりは安く手に入ることになる。が、お金を払って手にした本の内容が期待に反して面白くないと、読了もせずに売るタイミングを逸する。賞味期限が切れた本はなかなか売れない。以前はKindle版を気楽に購入していたが、デジタル版「積読」(つんどく)も、場所をとらないだけで読了していないから、気持ちがいいものではない。おまけに売ることもできない。だから著者や出版社には申し訳ないが、極力買わずに早く読了する方法をあれこれ工夫した。

 

スタバのコーヒー一杯で何冊か速読し、面白くなければ途中で書店の書棚に返却、飛ばし読みでも最後まで読むほど面白ければ万々歳。が、購入することはない。本の内容は自分に必要な部分だけ覚えておく。あの本の自分にとってのメッセージは何だったのかな、と一回だけ思い返すことにする。

 

古い本はBookOffと図書館で

何年か前、ホリエモンの本をBookOffでざっと立ち読みした時、

「大事なのは情報は集めることではなく、集めた情報を活用することである」

という趣旨のことが書いてあり、なるほどな、と思った。ライターがホリエモンが口頭で述べるポイントを、30分程度で読み飛ばせる新書にまとめたものだろうが、「学び」はあった。てか、その本の他の部分は全部忘れた、題名すら覚えていない。

 

新刊書をTSUTAYAで見つけることは簡単だ。古い本はBookOffで目次をみながら内容を想像しながら大急ぎで読むか、図書館で借りる。

 

動物は自分の遺伝子を残すようにデザインされているー橘玲

橘玲氏のマネロンや節税をあつかった小説(「永遠の旅行者」)も面白いが、人類を含めた動物はみな、自分の遺伝子を残すようにデザインされている、という一貫した主張でオスやメスの行動原理を分析する本もかなり納得させられる。

 

最近の新刊書は「シンプルで合理的な人生設計」で、TSUTAYAでざっと目をとおしたが、3分の1ほど読み進んだところ、電車が込み始める時間が近づいたので読了は断念した。

 

橘玲氏の一環した主張

新刊書はこれまでの著作を土台に書かれているようなので、古い本にも目を通すことにした。小説はKindleで買って読んだが、同氏の行動分析の本はあまり読んでいなかったので、区立図書館で過去の出版物を10冊近く手あたり次第に予約した。まず、

 

言ってはいけない 残酷すぎる真実」

「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」

 

を読み終えた。最初の本は新書で、題名通りポリコレに反するもの。

努力は遺伝に勝てない。美醜の格差等々。ーーー身も蓋もない!

ふたつ目の本の方が出版年が古い(2010年)が、同じことをより詳しく述べている。世の中には「やってもできない人」がいる、という厳然たる事実を260ページの単行本で繰り返し繰り返し述べる。多くの文献(特に欧米の研究、調査結果)でこの主張を補強しているが、小難しいエビデンスは不要だ。

この世には、

北川景子のような顔立ちに生まれた女性がおり、

大谷翔平のような身体能力と体格(と親しみやすい童顔)に恵まれた人がいる一方、

そうではないひとが山ほどいるのだ。

 

林真理子日大学長は、橘理論のカウンターエビデンス

もちろん、北川景子大谷翔平も、生まれ持った才能、美貌に後天的な努力と摂生が加わり今日があるだろう。

 

林真理子日大学長なんて、橘理論の見事なカウンターエビデンスではある。決して美しく生まれなかった、決して偏差値が高いとは言えない大学卒で、地方都市の小さな書店の娘が、60過ぎてそれなりにダイエット効果もあり、少なくとももう「ブス」とは言い切れない外見を獲得、何よりも巧妙に時代をとらえた多数の出版物(例:「最終便に間に合えば」「下流の宴」)で、力技で社会的地位をもぎ取った。

 

林学長は自分の性分に合った道を突き進んだ

誰もが、彼女のようになれる訳ではない。

何よりも、彼女は上昇志向が強く、その情念に従って努力することが全く苦痛ではなかったのだろう。私が、外務省でおとなしく、愛らしく振舞い、今頃どこかの一部上場企業の社外取締役のひとつかふたつにおさまりうる属性を意識的に棒にふったのは、そのようなふるまいが性に合わず苦痛だったからだ。主流を歩むより、異端児、一匹オオカミの方が居心地がいい人もいるのだ。

 

性格も遺伝する、と橘玲氏は書いている。

「政治空間」「社会空間」で成功する(競争に勝つ)のに向いた性分の人は男性でも女性でも、そのように振るまうことが無理なく、居心地がいいはず。私は上司、同僚、部下の評価で競争を勝ち抜くより、自分の才覚と創意工夫が結果をもたらす「貨幣空間」(不動産投資やインバウンド客集客)で生き延びる方が性分に合っていたということだ。このあたり、橘氏の本で大いに納得させられた。

ニッチな分野であっても、得意な土俵で勝負せよ、上品に言えば「置かれた場所で咲きなさい」か

 

情報は活用するもの、インプットよりアウトプット

ところで、上述の新刊書、古本の速読方法で述べた、ホリエモンの至言「情報とは集めるものではなく、活用するものだ」は、別の機会にホリエモンより毀誉褒貶が少ない精神科医和田秀樹氏が別の言い方で述べている。

 

やたらと本を読んでインプットに精を出すより、読んだ本のちょっとした感想を書き留めるアウトプットの方が、脳の活性化、認知症予防に役立つ、とのこと。

 


 

このブログも橘玲本を読んだ後、和田先生の助言を実践した感想文である。

(2023年4月2日記)