人生の第三コーナーの衣食住

ライフスタイルブログ:インテリア、家のメンテ、ソーイング、失敗続きのパン作りなどをつづっていきます

いざ十津川村へー自分の足で動き回れる時間、旅行に向いた季節は限られている

ゴールデンウイーク明けは、花粉症からの解放

まだ少し鼻がムズムズするし、くしゃみも出るが、スギの季節の猛烈な目のかゆみはない。

6月になると梅雨、その後の猛暑は9月の終わりまで続く。1年の内で旅行に適した時期はそれほどないのだ。

さあ、飛び出そう、と奈良県十津川村へ2泊3日で行ってきた。昔からずっと行きたいと思っていたところだ。東京からである。

 

楽天トラベルを利用したのは、楽天モバイルを応援したいから

以前はじゃらんや一休(ヤフートラベル)で宿を予約していたが、今回初めて楽天トラベルを利用した。値段は他のサイトでも変わらなかった。が、心情的に楽天グループを応援したい気持ちがある。

楽天の携帯事業が大赤字だそうだが、これまでソフトバンク(=ヤフー)の携帯やルーターサービスに散々ぼったくられてきた(「トクトク詐欺」と呼ぼう)ので、もうヤフートラベルは使いたくない。ソフトバンクなのに時にヤフーと名乗ったり、ヤフーカードをペイペイカードと呼ばせてみたり、買収した「一休」の名称を相変わらず使ってヤフートラベルとの関係を曖昧にしたり、ヤフー、ソフトバンクグループの「目くらまし作戦」がどうしても好きになれない。

宿泊予約もヤフーカードやペイペイを使わないと割引対象にならない。

 

2年前にスマホソフトバンク(Ymobile!)からドコモ(ahamo)に変えたが、3大キャリアの中で通信網が一番充実しているはずなのにデザリングが全くできなかった。何度も相談したが、埒が明かず、楽天の携帯に乗り換えたのが昨年7月。乗り換え当初は若干のトラブルはあったが、楽天リンクアプリでは通話し放題だし、自分の行動範囲で繋がりにくいと感じたことはない。

千葉県ではソフトバンクの携帯では家の二階に行かないと通話やネットができなかったが、楽天は自社の通信網が十分でない場所ではauの回線を使っており(楽天auに使用料を払っているのだろう)、階下でも問題なく通じる。

 

これまで使ったことのあるソフトバンク(Ymobile!)やドコモと比較して、楽天が一番便利で安価だ。1か月3GBに抑えれば通信料は1000円ちょっと。20GB以上の無制限になっても3000円ちょっと。ドコモのahamoでは利用ギガが少なくても、一律使い放題プランの料金が適用され、毎月3000円以上払い続けてきた。なのにデザリングはできなかった。皆さん、楽天を応援しよう!

 

が、あの携帯基地局建設をめぐって、98億円も夫婦で詐取、横領した佐藤某とかいう元部長に対する楽天経営陣の監督不足は容赦できない。元部長夫妻は、ランボルギーニルイ・ヴィトンしかお金の使い道が思いうかばなかったのだろうか?経済犯罪は殺人などより刑事事件としては量刑が少ないらしいが、民事では夫妻で一生かけて98億円にペナルティを加えた全額を会社に返済させないと。ばれないと思った段階で夫婦そろってでアホ。

 

旅行の話が携帯キャリアの話になったが、楽天au回線との提携のお陰で山奥の十津川村でも通じた。

 

長年の十津川村への憧れ

なぜ行きたかったかというとエライ山奥にあるからだ。

幼いころ、春休み、夏休みはいつも吉野郡吉野町の母の実家に連れていかれた。トイレが暗くて怖く、田舎のばあちゃんが炊いてくれたコメは柔らかすぎたが、それでも大阪の都市部では味わえない「ふるさと」であった。

 

そんな田舎の吉野郡吉野町より更に山奥に「十津川村」がある、一体どんなところだろう?と半世紀にわたり行ってみたいと思い続けてきた。

「吉野郡十津川村」だから、奈良県の面積の半分以上をしめる吉野郡(吉野五條地域で64%)
の、そのまた3分の1くらい(県全体の18.2%)をしめるのが十津川村なのだそう。

 

最寄りの鉄道駅からバスで4時間揺れてようやくたどりつけるという「秘境」だ。豪雨で道路が遮断された、というニュースも神秘感を盛り上げる。

自分は東京から一旦京都に行き、それから十津川村へ、となるから遠いのだが、京阪神在住で車を持っている人なら、大阪から東に向かう、あるいは和歌山から北に向かえば、数時間のドライブ。東京から長野県白馬村に行くような感じだ。

 

行きは関西の拠点にしている京都から近鉄電車を乗り継ぎ、最後はJR和歌山線の五條という駅から奈良交通のバスに乗った。これがバスの乗車時間が一番短いルートだ。数時間の行程でもICカードが使える路線バス。病院に通う高齢者乗客も乗っている。2度ほど休憩が入る。運転手さんの休息が大事だ。乗客の命を預かっているのだから。五月中旬の新緑が目に染みる山あいを、青い十津川に沿って蛇行する道を丁寧な運転とアナウンスで進んでいく。

 

ワンコとの旅行――奈良交通さん、ありがとう!

事前に奈良交通の運行約款を調べたところ、ケージに入れた10キロ以内のペットは持ち込み可能だった。

9年間事業を行っていた白馬村では、アルピコ交通がペット同乗不可のため、東京から現地に行くにはずいぶん時間がかかった。北陸新幹線で長野までは2時間ほど、そこから白馬村まで1時間バスに乗れば、結構早いのだが、ワンコ連れではバスに乗れない。新宿発の特急あずさで松本まで、それから先は単線の大糸線の各駅停車で5時間近くかけて行ったものだ。

 

バスで十津川村に行くにはワンコはどこかに預けないと、と思案していた。東京のいつものペットホテルに預けて、奈良で2泊3日するには前後を入れるとワンコを5-6泊させないと難しい。

十津川村行のバスに乗る鉄道駅の近くにペットホテルはないか探してみたら、近鉄榛原駅近くに良さそうなペットホテルがあったが、高齢ワンコは受け入れ不可とのこと。ポチも14歳になった。仮に預かってもらえたとしても榛原―大和八木の往復で2時間近くロスをする。十津川村へのバス便は1日1―2本しかない。

 

京都のペットホテルは異常な高額

京都で預ければいいはずなのが、これが軒並み一泊8800円。文字通りぼったくり。人間のビジネスホテルより高い。

数年前まで、京都は(人間の)宿泊施設が足らず、春の桜、秋の紅葉の時期、宿は強気の価格設定ができた。ブルーオーシャンの時代だ。それが、コロナ前に相当数の新規ホテルが開業し、特定の高級宿、個性のある宿でもない限り、価格競争は免れない。レッドオーシャンになったのだ。

京都のペットホテルも今は地元の事業者だけで高額だが、そのうち首都圏のペットホテル業者が乗り込んでくれば、値下げ競争になるだろう。

そんなわけで、奈良交通様様である。十津川温泉の停留所で出会った運転手さんは、柴犬好きだそうで、「犬をなでていると、運転の疲れが飛んでいきます」と嬉しいことを言ってくれた。

 

泊まろうと思ったホテルにペット用の小屋があった幸運

加えて、十津川村第三セクターが開発した、そこそこのランクの「ホテル昴」は冷暖房完備のペット小屋が用意されていた。奈良交通とホテル昴がペットフレンドリーなお陰で、私の十津川村のワンコ連れの旅は実現した。

なお、ホテル昴の料理と器は、山奥とは思えぬほど洗練されていたが、バスタオルが雑巾のように薄汚かった。このことは別のエントリーで詳述する。

 

2泊3日の行程

到着の日はひたすら電車とバスに乗っていた。蛇行する川に沿って縫うようにバスは走る。山あいの道路整備はもちろん、水力発電ダム、護岸工事、普通の橋に吊り橋と日本の土木技術のモデルケースが次々と現れる。公共事業が無駄なはずはない。課題は人口減少、過疎化の中で、作ったものをどう維持管理していくかだ。

休憩のために多分奈良交通が設置したと思われるトイレは清潔!ウオッシュレットが付いている。小学生の時の母の実家吉野でのぽっとんトイレから半世紀以上。昭和の高度成長を山奥で確認した。

 

2日目は丸1日ある。ホテルから果無(はてなし)集落まで、苦手な吊り橋をこわごわ渡り、40分以上の険しい、急な石畳の道をひたすら登ると、天空に絵のような小さな集落に辿り着いた。傾斜地のほんのわずかな土地を平にして水田にし、農家の庭のあやめの濃い紫が映える。頂上の反対側には自動車道が整備されており、車で15分ほどで上がれるそうだが、自分の足で山道を登ってきた達成感。この健脚はいつまで維持できるのだろうか。

 

帰りは自動車道を下るのだが、ホテルまで我慢しようと期待していなかった公衆トイレが集落のはずれにあったのだ。キレイ!張り紙には、何名かの利用者が「ありがとう」と書いていた。私も謝意を書き残した。その数日後、六甲登山口の寺が長年無償で提供していたトイレを撤去したとのニュースを読んだ。利用者のあまりの配慮のない使い方に辟易したからだという。これからも利用者全員がマナーを守り、あのキレイなトイレがいつまでも維持されますように。

 

オニツカタイガーのスニーカー最高

このちょっとした登山を可能にしてくれたのはオニツカタイガーのメキシコ66というスニーカー。決して底は厚くないのに、抜群のクッション性で足裏が疲れたり痛くなったりすることはない。

以前、京都で宿をやっていた時、何人かの外国人宿泊客がオニツカタイガーの靴箱を残していった。当時は今のような円安ではなかったのに、わざわざ日本で購入していたのは、日本なら種類が多いからか、海外では関税が課されて割高になるからだろうか。

コロナ後のインバウンド客再開で、渋谷や銀座のオニツカタイガーのショップは外国人客で一杯だ。軽くて、クッション性、デザイン性に優れている。牛革製で円安なら益々納得の価格だ。

 

2日目の午後はワンコと十津川村の温泉街まで往復した。ホテル昴は温泉街から少し離れているのだ。バスも通る、住民の生活道路の端をワンコが飛び出さないよう気を付けながら歩いた。荒物屋や自動車整備工場もある。村民の生活をほんのわずかだけ垣間見たような気がした。

 

3日目は京都に戻る日

宿の観光案内には、1時間足らずバスに乗れば、和歌山の熊野本宮まで行ける、とあった。熊野古道のポイントのひとつでもある。せっかくだから行ってみることにした。

十津川村とは打って変わって、それなりの観光地だ。立派な観光案内所もあるし、十津川村ではたった一人しか遭遇しなかった外国人観光客も結構いた。本宮の立派な鳥居より、田んぼの中にすっくと立つ木製の鳥居が印象的で、来てよかったと思う。永平寺にワンコ連れで行った時も同じ経験をしたが、神社仏閣の境内にはワンコは入れない。ケージに入れて砂利道を進むのも難儀だ。

結局境内の周りをウロウロするだけだったが、奈良から山奥の県境を越えて和歌山に入ったことで達成感を感じた。

 

戻りは近鉄大和八木駅まで5時間ほど。奈良交通の運転手さんは、和歌山県の新宮という太平洋に面した町からバスを運転してきたのだ。まさに一日仕事の長距離バス。午後3時過ぎ、バスが山道を登って着いた先は西吉野農業高校。このバスは学生の足でもある。若い男女の高校生が乗り込んできて、バスは一気に華やぐ。山から下ると、学生たちは次々と下車していった。

4時を過ぎると街中にはいり、交通渋滞が始まった。ホテル昴のフロント係の人が教えてくれた大和八木駅の到着時間を大幅に過ぎていた。運転手さんに聞くと、どうやらホテルの案内が間違っていたようだ。駅には8分ほど遅れて到着した。運転手さんは「遅れてすいません」とアナウンスしている。こんな長距離の路線バスでたった8分の遅れである。キレイなトイレといい、ほぼ定刻の長距離バスといい、日本に生まれて良かった!

和歌山県から延々6時間以上乗ってきたので、運賃は4000円の高額だが、ICカードパスモ)が使えた。数年前、愛知県の明治村に行った時、名鉄バスはICカードを使えなかった。奈良交通、やるのう!

 

母は奈良の吉野から大阪に嫁いだ。明治生まれの祖母も奈良出身で大阪の良く知らない相手と見合い結婚した。父は二言目に「奈良の女はアカン」と自分の母親や妻を貶めていた。炊飯器が出回る前、窯でごはんを炊いてちょっと焦がすと「何年、メシ炊いとるんや!」

父の世代の男性は、奈良の女性に限らず、女性を貶めることが普通のことで、別に都会出身の女性が母親や配偶者だったとしても、同じ対応だったと思う。阪神タイガースファンのくせに、阪神の悪口ばかり言っていたから、父なりの愛情表現なのだろう。ただ、当時住んでいたのは大阪のど真ん中、少しづつビルが建ち始め、地下鉄も開通した。それに比べれば近鉄特急に揺られて行く奈良は間違いなく田舎だった。

自分の父親があしざまに言っていた奈良だが、今回の十津川村旅行で、ペットOK,運転手さんの丁寧な運転と接客、そして長距離でもICカードが使える、の三点ですっかり奈良交通のファンになり、奈良も捨てたものではない!と思った。今の京都はインバウンド客が多すぎる。コロナの真っ最中に、誰もいない嵐山の竹林や伏見稲荷神社の連なる赤い鳥居を満喫したので、京都の観光地はもういい。

 

東大寺春日大社は何度か行った観光地だ。次は、近鉄電車と奈良交通のバスで、母の姉が嫁いだ大宇陀郡や、妹が嫁いだ下市口へ行ってみよう。もちろん、母の実家があった吉野神宮も。

 

大和西大寺駅―安倍暗殺

大和八木駅から京都に戻る途中、大和西大寺という駅がある。東西に大阪と奈良を結ぶ近鉄難波線と、南北に京都と奈良を結ぶ近鉄京都線が交わる駅だ。1年近く前、安倍さんが山上徹也に暗殺された場所を車窓から眺めた。奈良県でも有数のターミナルだと、事件の際報道されていた。

山上徹也は奈良の公立進学校奈良県立郡山高校出身。

 

岸田文雄、岸田翔太郎という政治家を家業とする一族のバカな写真が流出した。

安倍晋三の祖父、岸信介統一教会創始者文鮮明と握手するツーショット写真がある。その時代の「反共」「勝共」という選択肢は日本国、日本人にとり間違っていなかったと思う。が、安倍晋三文鮮明の妻韓鶴子に「敬意を表する」と述べたビデオメッセージは、統一教会が行ってきた悪行を想起すれば、国を、国民を思う政治家がやるべきことでは決してなかった。

安倍さんは「美しい国」などときれいごとを言いながら、このメッセージで日本国、日本人を貶めたのである。孤高のテロリストの凶弾に倒れる原因を自ら作ったと私は思っている。

 

2023年6月3日記