人生の第三コーナーの衣食住

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ジャニーズ事務所元社長の性加害、市川猿之助セクハラ、パワハラ報道――男児だけでなく、少年、成人男性も被害者になることを前提として社会を構築し直さねば

ジャニーズ事務所も歌舞伎界も同じジェンダーの役者、タレントが芸能を披露する。

スポーツは男女で体力差があるから、男同士、女同士で記録を競うのは説明がつく。が、歌舞伎も宝塚もなんで男が女形を、女が男役を演じなければならないのだろう?不自然に思えるが、人類の歴史において男女が別々に生活し、それぞれ「〇らしい」とされるの文化をはぐくんできた期間の方がずっと長い。

 

奈良室生寺は、女人高野と呼ばれ、女性も入山できたので(昔は)珍しいとされていた。今日でも女子の教育を容認しないイスラム世界もあり、宗教は男女分離、差別と親和性がある。

 

男ばかりで生活すると、美少年に萌える人も出てくる。

膨大な数のカトリックの男性聖職者たちによる、膨大な数の幼い男子に対する性的加害は、キリスト教世界を震撼させるものだった。20世紀の後半に明らかになったが、ずっと以前からあったのだろう。

日本の武家社会の戦の最前線は男ばかりだから、男色も日常的だったと想像する。

大日本帝国軍部は、部下への暴力や捕虜への虐待で悪名高いが、性的加害がなかったと思う方が難しい。

 

そういえば、外務省でヨーロッパとの経済関係を担当していた頃、フランスにクレッソンと言う名の暴言女性閣僚がいて、対日貿易赤字で日本のことをボロクソに言う人であったが、英国に対しても「ホモの国」みたいな発言をして物議をかもしていた。男子ばかりの寄宿学校で過ごす英国貴族社会の伝統を揶揄したものらしい。21世紀ではおよそ許されない発言だ。

女性同士の性愛においても加害行為というものがあるのだろうか?

「女児にわいせつないたずらをして中年女性を逮捕」

というニュースは耳にしたことがないが、男児や女児にいたずらをするオッサンの圧倒的な多さの影に隠れているだけなのかもしれない。

 

猿之助一家心中(?)事件が毎日ワイドショーを賑わす中、5月大歌舞伎を観に行った。歌舞伎に詳しいわけでもないが、わかり易いコメディ調の演目もあるし、踊りが入ると華やかで不勉強でも楽しめる。

 

5月の昼の部の花形は、市川團十郎(以前の海老蔵)の「若き日の信長」と寺島しのぶの息子、というか尾上菊五郎藤純子の孫息子、尾上真秀のお披露目演目ヒヒ退治。

 

團十郎は超美形で声もいい。信長、と言えば森蘭丸。歌舞伎でも武家(男社会)でも男色は公然の事実だったのだろう。

フランスの生んだ美男俳優アラン・ドロンは、男性映画監督に引き立てられスター街道まっしぐら、という噂があった。

 

ジャニー喜多川の若い男の子に対する性愛pedophileは、半世紀にわたり何度も週刊誌で報道されてきた。

市川猿之助の一家心中の引き金となったかも知れない女性週刊誌の記事は、猿之助の周りの男性(成人男性らしい)に対する異常なスキンシップ要求と、それに応じないと干される、という、同性間の、力関係を悪用した典型的なセクシャルハラスメントを伝えている。

 

前回の山口真由さんのシングルマザーになる決意について書いたことだが、自分ひとりなら世間様の期待を裏切る道を選ぶのは(自我の確立した人なら比較的)簡単だが、親が子供の選んだ道を嘆くだろう、という思いは相当なブレーキとなる。

 

 

猿之助もひとりなら「俺が一座の大将。これで、歌舞伎の一門を引っ張ってきたし、今後もこれで行くんだ。何が悪い」と突っぱねることはできても、高齢の両親には見せたくない記事だったのだろう。

 

それにしても両親だけ亡くなり、猿之助本人だけが「死にきれない」とはみっともない。自殺ほう助なのか、承諾殺人なのか?そういえば東条英機も自害に失敗。覚悟を決めた大将なら一発で決めるものだ。知らんけど。

 

人類の長い歴史の中で、異性間の愛を高らかに歌い上げるかたわらで、同性愛はずっと封印されてきた。おそらく「カミングアウト」した人は氷山の一角で、自覚していない人も含めれば相当数の同性愛者がいるという前提で、社会の仕組みを組み立て直す必要があると思う。

 

思えば、自分の息子が幼い頃、ネットで調べた小学生のキャンプやスキー旅行に、何の疑問も抱かず参加させたが、親としては本当に無責任であったと猛省する。ジャニー喜多川のような性向の人がキャンプの主催者だったかも知れないのだ。

 

酔っ払いや与太者によるケースはもちろん、教師や養父(おぞましいことだが実父も)による女子に対する性加害行為の恐れは、大抵の親は頭の片隅に抱いていると思う。「女の子だから、気をつけないと」。

男性も幼少期や少年時代は保護の対象であり、職場においては成人男性も被害者になりうることに社会は無防備、無知すぎた。

 

2023年5月31日記