人生の第三コーナーの衣食住

ライフスタイルブログ:インテリア、家のメンテ、ソーイング、失敗続きのパン作りなどをつづっていきます

「ひきこもりの日記」―「断捨離」「ビフォーアフター」番組は、ちょっとおバカな人がいるから成り立つ

ヤフーニュースで、「すべて」の項目を選択すると、時事ニュース以外に勝手に私の興味を反映して、家事や不動産、インテリアについての記事を送ってくる。

 

紙の雑誌を買って記事を読んでいた頃にくらべ、ネットの記事はデスクや編集者、校正担当のいないライターの冗長な文章に出くわし、読み始めてすぐやめることも多くなった。このブログも、ダラダラ長いのに肝心の知りたいことは不明、とならないよう自戒しながら書かねば。

 

毎日の家事にもリテラシーの違いが現れる

他人に助言する仕事は、リテラシーの低い人がいてこそメシの種になる。

投資アドバイザー(しばしば投資詐欺師)、ファイナンシャルプランナー(光熱費、通信費、生命保険料、サブスクの固定費見直ししか言わない)の意見を参考にするには、ファインシャルリテラシーが必要だと言われる。「必ず儲かる」、「年利10%保証」等の非現実的な言葉に騙されない基本的な常識を身に着けないと、簡単に大金を持っていかれ、借金だけが手元に残る

 

投資と比べれば、あまり実害の無いテーマだが、家事アドバイザーの意見を参考にするにも、それなりのリテラシーが必要だ。

 

自分が時間のたっぷりある退職者になり、自分より家事経験の浅い人やその人を褒めまくるライターの提灯記事にウンザリすることが多くなった。コロナの引きこもり生活中、家事の腕がかなり上がった。

 

食器を減らすよう助言する人

確かに少ない方が場所を取らないし、重たく割れると鋭利な破片になるものだから、地震の時に危険。が、食洗器を使うか使わないかで必要な食器の量は異なる。家族の数が少ないと、毎日食洗器を回すこともない。となると、コーヒーカップや湯のみ、小皿などは複数枚必要になる。「食器を減らしましょう、好きな食器だけ1セットあれば十分」は参考にならない。好きな食器の縁に金が塗られていたり、漆塗りだったりすると食洗器には使えない。

 

少なくした「お気に入り」の食器を地震対策もせず棚に飾る人

ある料理研究家は少なくなった食器を扉のない棚に置いて、スッキリとか言っている。地震大国の日本で!そんなライフスタイルを写真入りで紹介する同じ雑誌の後半で、食器の飛び出し対策を含めた防災特集を組んでいたりする。

 

食洗器はドイツのMIELEミーレだと推奨する人

狭い日本の台所で幅60センチの海外メーカーの製品は大きすぎるし、値段も高い。推奨するセレブは、ミーレのものは日本のメーカーの食洗器より汚れが落ちやすい、と科学的根拠を提示せず、感覚的に断言している。ライターは何の疑問もなく、受け売り提灯記事

 

食洗器を選ぶ基準は、個々人の食生活による。経済産業省通産省)の人から、日本のメーカーは茶碗にこびりついた米粒をよく落とせることに研究を重ね、製品改良してきた、と聞いたことがある。欧米人が毎日食べるのはパン、たまに口にするコメは粘りのない長粒米(アンクルベンやタイ米)。食洗器の必要な洗浄能力は、油(バターやチーズ)を含む食材中心か、でんぷん質の粘り気中心か、に左右される。

 

大皿に肉を切り分け、付け合わせ野菜も同じ皿に盛る食事スタイルのドイツなら、直径25センチ以上の皿を入れる部分を大きくする必要があるだろう。サラダも15センチほどの平皿でナイフとフォークで食べるのだ。箸を使わず、融点の低い羊の肉や脂身の多い豚の固まり肉を食べる生活の日本人は少ない。

 

パナソニックの幅45センチの食洗器を23年使い続けている。食器を入れるたびに、茶碗や小鉢、小皿の部分が先に埋まっていき、大き目の皿を入れる部分はスカスカ。コンロの五徳やパーツ、電子レンジの回転皿、ネスプレッソマシーンのパーツまで大皿部分に入れてできるだけ満杯にして、食洗器をかけるようにしている。

食べ終わった後、捨てるティッシュやキッチンペーパーであらかじめ汚れを落としたり、茶碗に水を注いでしばらく置いて、食洗器に入れる前に家事手袋を使ってサッと粘り気のある米の残りを洗い流したりするのは、食洗器の性能を発揮させ、時短モードで節電、節水して食洗器を使いこなす上で大事な「ひと手間」である。これもリテラシーのひとつだろう。小さな話だが。

 

ミーレはいい!と断言する人の知性を私は信用しない。

 

電子レンジとオーブン併用は不便

ちなみに回転皿のある電子レンジの方が小型なので、小さい台所向き。回転皿のないオート機能の電子レンジは重くて大きく、自動機能もあてにならない。牛乳を毎回吹きこぼれなしにレンジで温められた人がいたら脱帽もの!スチーム調理、オーブン機能付きの電子レンジは、一人では持ち上げられず、地震の時は凶器になる。

それに、オーブン機能を使い、庫内が200度以上になってしまった後で、電子レンジを使うのは怖い。やけどをするかも知れないし、普通の陶器では高熱で割れる心配がある。

後述するマッキンゼー出身のちきりんさんが、家電は単一機能の方をお勧めする、と書いていたが同感。彼女は、洗濯・乾燥は別々の製品をふたつ買う方が時短になると主張する。オーブンレンジも同じ。小人数の日本人の家庭なら、大き目のオーブントースターと電子レンジをそれぞれ持てば済みそうだ。

 

ルンバやダイソンで絨毯の房がボロボロになった

40年使っている職人が編んだホウキだけで掃除は大丈夫、何て豪語する70代女性!掲載されている写真には、板の間だけでなく絨毯もしいてある。こんな記事に騙されて、高いホウキを買う人もいるかも知れない。

 

やっぱりゴミは平行移動させてチリトリに入れるだけでなく、吸い込むことも必要なのだ。電気掃除機は、昔の人が苦労した、間に入り込んだゴミをとる文明の利器。使わない手はない。

もっとも、お掃除ロボットでは限界がある。モノをあまり置いていない広いフローリング向き。ダイソンは吸引力が強い、と言われるが、重いし、紫、黄色という不思議な反対色で高価。狭い日本の家屋では、充電して稼働できる時間の長さを誇る必要もない。玄関で靴を脱ぐから、家の中に入ってきた砂や泥を吸い込む必要もない。マキタの軽いコードレス掃除機で大抵は間に合う。

我が家にはダブルコートの犬がいて、冷暖房のきいた室内にいるので年中換毛期。絨毯にくっついた毛(仰向けになって背中を自分でこすりつけていることもある)は、さすがにマキタでは難しい。そこで、パナソニックのコードレス。犬の毛をグングン吸い取ってくれる。

小さなホウキは、掃き出し口、窓のレールに役に立つ。

 

ルンバとダイソンでボロボロになった絨毯の房は、コロナ勃発当初、トルコ人の絨毯業者に補修してもらった。もうボロボロにはしないぞ、と房は絨毯の裏に織り込み、パナソニックの掃除機をかける時、巻き込まないようにした。少し房が表に出てきたら、一旦掃除機を切って、裏に織り込んでから再開。人間の知恵が必要なのだ。ChatGPTでは対応できない。

 

人生にはお掃除ロボットを重宝する時期もある

ルンバに頼ったのは、フルタイムで働いていた子育て期間中、今よりずっと広く、床がすべて絨毯の賃貸住宅に住んでいた頃。忙しいから頼らざるを得なかった。退職して時間があれば、丁寧な暮らしができる。家電開発業者はこれからもお掃除ロボットの性能に工夫を重ねていくのだろう。自分で掃除をするのも億劫な年齢になる頃までに、AIが今より賢くなって、房のある絨毯を除けるようになって欲しい。

 

確かに家事に関する記事で参考になることもある

それでも、編集者が精査したはずのレタスクラブESSEの記事を一応目を通すのは、時々参考になることがあるから。当たり前だけど、

 

床に置くものを少なくするーールンバを使わず、自分で掃除機かける時も楽だ

重い厚いマットレス(シモンズとか)は捨てて、三つ折りで自分で運べるものに換える

等々

 

雑誌ではない単行本だったが、わざわざ「人生がときめく片づけ」と銘打ったこんまり本の、「たたんで立ててしまう収納術」は、箪笥だけでなく冷凍庫や他の収納箇所でも役に立つ、普遍的な助言だ。

 

家事の手ほどきは母から娘への時代、家事の作法の違いで姑にいびられる時代を経て、娘だけでなく息子もキレイ好きな男親の背中を見ながら習得する時代になった。以前は姑のやり方に反発して険悪になったのだろうが、今はネットの記事で、このおばあさんの家事のやり方はズレてる、おかしい、とか勝手に思ってこんな風にブログに書いていれば済む。

 

世の中知識格差、想像力格差で回っている

「断捨離」や「ビフォーアフター」の番組も、生活を整えるリテラシーに欠けるちょっとおバカな人がいるから成り立つ。どうしてあんなにモノを貯め込むの?どうしてこんな使い勝手のわるい寒い、暑い家に住み続けてきたの?と思う勿れ。賢い人ばかりでは、アドバイザーのメシの種が無くなる。

 

もっとも超賢い勝間和代やちきりんといったマッキンゼー出身の人も、家事についてトンチンカンな意見を述べていることもある。

勝間さんの「育毛剤、英会話力向上はコンプレックスビジネス」「コーヒー1杯が○○円以上なら高いと判断する」等々、教えられることも多かったが、調理家電の間に何台ものタブレットを置く生活にはついていけない。ちきりんさんの家電は単機能のものを、という意見は参考になるが、壁紙や家電についてのこの人の色彩感覚の欠如はアチャー!

 

賢い人も、全てに才能があるわけでないから面白いのかも。

2023年3月26日記

人生の楽園-農家民宿とChatGPT

人生の楽園」と「小さな村の物語」

平日の夕方は、民放のニュースをちょっとだけ観て、簡単な夕食の準備をする。パスタ、焼きそば、おなかが空いていないとりんごとスープだけ、という日もある。翌日の朝食用のパンが少なくなってくると、パンを焼く。自動早焼き機能なら2時間。フォカッチャ風、乃が美風にもできる。

 

週末はそんな平日夕方のルーティーンが崩れる。まず6時から西田敏行菊池桃子が案内する「人生の楽園」を横目に、料理を作る。食べ始める6時半に、人生の楽園が終わる。イタリアの小さな村に住む人々を紹介するBS日テレの番組「小さな村の物語」に移る。ナビゲーターは三上博史

 

昔とうふと伝統的チーズ

3月11日の人生の楽園は、岩手で後継者がいなくなった昔とうふ作りを伝承しようと頑張るアラフィフのお母さんとその家族の話。イタリアの方は北イタリアアルプスのアオスタ地方のコーニュと言う村でアグリツーリズモ(農家民宿)を営む一家の話。オヤジと息子が、途絶えてしまった地元のチーズ再生に知恵を絞る。とうふもチーズも大切なたんぱく源だ。日伊両家族とも、それぞれ息子が二人いる。岩手はトラック運転手で、父が育てた大豆で母が作る昔とうふを全国に大型トラックで届けたい、と言っている。アオスタの息子は、農家民宿と酪農を嬉々として手伝い、将来その仕事を継ぐことを楽しみにしている。いずれの両親は嬉しいに違いない。

 

ChatGPTとたんぱく源

テレ東の先鋭的なビジネス番組では、ChatGPTが連日話題の中心だ。AIが人間とかなり自然な対話ができるところまで来ているという。昔とうふ、昔チーズ作りと対局にある。ものすごく賢い人にAi開発は任せて、普通の人はとうふとチーズで生きるんだ。天才もたんぱく源が必要なんだから。

 

自然に挑戦し、人類は進歩してきた。寒冷地でも育つ米、甘みの強い果物。干ばつや台風、害虫、土壌汚染にされるがままなら、飢饉で死者は絶えない。コロナのような感染症に効くワクチン開発も、自然への挑戦だろう。頭のいい人にこの分野は任せ、貧しくとも素朴に伝統食を守る、のも清々しいものだ。「ポツンと一軒家」でほぼ自給自足の生活をする人たちにも通じる。

 

市場経済と無縁の人々

人生の楽園」に登場する退職者は、市場経済貨幣経済の中で生計を立てているとは思えない。こちらも「農家民宿」をやっている人が多いが、恐らく週末一組の客がある程度だろう。海辺なら自分で釣った魚、山奥なら自分の畑の収穫物、それにご近所の人が提供してくれる野菜を合わせて宿泊客に提供している。ランチ営業する人生の楽園登場者の客もご近所さんばかり。多品種の特殊な(無農薬)野菜を育て、フレンチやイタリア料理店に納めている人がいるが、収入―経費=利益は出ているのだろうか?

人生の楽園」で紹介される人々の所得は課税最低水準約280万円を下回っていそうだ。それでも生活ができ、他人が納めた税金で行政サービスも受ける。こういう退職者が多くなれば日本人の給与水準が上がらないのも仕方がない。それでも、多様な生き方、生きがいは尊重したい。人間は、それぞれ役割があるのだ。凄い発明をする人(スティーブ・ジョブズ、カタリン・カリコ、ジェフ・ベゾス)がいる一方、アマゾンで注文した品を、きちんと手元に届けてくれる人も必要なのだ。これもドローンにとって代わられるのかも知れないが。

 

3月11日記

「ひきこもりの日記」――自称「おひとりさま」で売文する人から得るもの

前回のブログで言及した、ベルギーに生まれ、米国に亡命した作家、詩人のメイ・サートンMay Sartonの「独り居の日記」Journal of Solitudeをざっと読んだ。1960年代後半、同性愛者であるとカミングアウトして大学の職を追われたという。

 

ネットで上野千鶴子さんが推薦していた本だ。その後まもなく、上野さんが八ヶ岳の方で、男性と入籍して一緒に住んでいた、「おひとりさま」で売ってきたくせになんだ、詐欺だ!と文春あたりが糾弾する記事が出た。

結構年の離れた男性ですでに物故者、上野さんが介護していたとか。ええやんか。70年以上生きて、一時期男性との同居時代があったからといって裏切り?まあ、入籍と言う行為は法的にひとりであることから遠ざかることだが、人生の大半はおひとりさまだったのだ。

「老後のひとり生活」を売文のテーマにしている下重暁子は、籍をいれているのかどうか知らないが男性の同居人がいると書いている。

 

「おひとりさま」の定義次第と思う。

家族と同居していても、全く関心を持ってもらえない存在なら独居とどう違うのだろう。

折しも昨日3月6日の「相棒」では、家族のいない独居貧困老人が、喘息で普通の学校生活を送れない資産家家庭の女の子にひょんなことから慕われることになる話が出てくる。「あんなじいさん、いなくなったって誰も悲しまない、どうせ孤独死でしょ」と自身の行為を正当化する殺した女性に、杉下右京が、老人がいなくなって(殺されて)非常に悲しむ人(女の子)がいることを静かに伝える。あまたある「相棒」のテーマでも、こういう社会の片隅で生きる人を扱うシリーズが好きだ。

 

上野さんも下重さんも社会的地位もあり、マスコミで売れている人だ。編集者は日参し、会合にも呼ばれ、審査員や委員を歴任し、色々な出会いがあり、その中で入籍したり同居したりする相手も現れるのだろう。カリタス小学校のスクールバスを襲った中年引きこもり男性や、犯行時の交友関係がほとんど報道されない山上徹也のような絶対的孤独にはなりえない人たちなのだ。彼女たち(特に上野さん)が自称「おひとりさま」として色々な問題提起することから知識を吸収するにとどめればいい。

 

長男の嫁が当然のように無給で夫の両親を介護していたのが、社会全体で介護の費用や労力を負担しようという介護保険制度ができたことや、専業主婦は年金未納なのに、加給、加算年金を支給されることを知る。終活、高齢者施設等についての情報提供も参考にすればよい。間違っても、あの人も「おひとりさま」だから自分と同じように淋しい思いをしている、有り余る時間をつぶすのに苦労している、はずだったのに同居者がいたなんて、入籍していたなんて、裏切られた、と失望しないことだ。

 

上野さんが林真理子と対談するネット記事で、自身を「政治的」な動きをしてきた、と言う趣旨の発言をしている。学術的に確立した分野なのかようわからん「女性学」なんて、競争相手もそれほど多くない。男性の学者があえて参入しない分野だ。そういう与しやすい土俵を選ぶこと自体、政治的センスがある。成り手がいない地方議会議員から出発するとか、(そう簡単ではないが)国政でも対立候補の少ない選挙区から立候補するとか。地方の無名女子大の教官から東大教授にまで上り詰めた人だ。間違いなく「政治力」がある。大学で自分が担当する講座を持つには予算の裏づけが必要なのだ。

 

上野さんの「おひとりさま」シリーズの本は一冊もまともに読まず、ネットに紹介された本の一部をつまみ食いしているだけ。メイ・サートンなんて全く知らなかったが、圧倒的な読書量、知識量のある上野さんが勧める本としてざっと目を通した。これが、私なりの上野千鶴子の利用法だ。

2023年3月7日記

 

「ひきこもりの日記」――サスペンス番組2性暴力

西村京太郎没後1年ということで、十津川警部や鉄道捜査官のトラベル・ミステリーがBS朝日で再放送されている。朝日だけかと思っていたら今日はBS-TBSで3時間(!)スペシャル。ま、花粉で出歩けないひきこもりばあさんの暇つぶしにはいいか。

 

今日の十津川警部役は内藤剛士。警視庁捜査一課長はじめ刑事役のイメージが強いが、以前は塀の向こう側の役も演じていた。高橋英樹以外に老けてからの渡瀬恒彦パワハラ気味の十津川キャラで高島政宏も演じている。

 

今日の「浜名湖殺人ルート」では好みの女性を連続して狙う金持ちの御曹司が出てくる。

こんなのに目を付けられたら本当に災難だ。

セクハラ専門弁護士がセクハラしたり、女子だけでなく男子生徒を狙う教師がいたり、世の中危険が一杯。

 

闇バイトを使った強盗(殺人)事件が連日ニュースになり、狙われないようにする防犯対策は元刑事がテレビで伝えてくれている。しかし性犯罪に合わないための助言や教育は十分なのだろうか。

 

自分の長い人生を振り返ってみると、たまたま深刻なストカー被害や性犯罪に合わず運が良かっただけに過ぎない。日本国内だけなく、フランスの田舎町の人通りの全くない国道を歩いたり、米国ロスアンジェルスでタクシーに乗ったりしたが、よく無事だったと思うことがある。親からも学校からも、もちろん勤め先からも、最悪の場合を想定して行動せよ、という教育、助言を受ける機会は全くなかった。

 

痴漢被害は、小学校高学年の大阪城天守閣が人生最初だった。当時の入れ替えのない満員の真っ暗な映画館で立ち見していたら、変なモノをつかまされて気持ち悪かったのは中学生の頃。大学時代の下宿生活での下着泥棒被害、京都四条通南座バス停留所では、自転車に乗ってわざと女性の胸の当りを狙って肘をぶつけながら去っていく男。市営バスの中では、わざと乗客の若い女性にぶつかりながら降りていく男。セクハラは外務省入省後何度も経験した。

こんなこともあった。残業してタクシーに乗って帰ることになった時。タクシー運転手がわざとスピードを出してカーブを曲がり、後部座席で身体の揺れを抑えようとしていると、バックミラーをみながら「怖いの?」とにやついた声で聴いてきた。今なら運転手の名前を控えて、タクシー会社に契約を発注する会計課経由で厳重注意してもらうという知識もあるが、若いころはそんな知恵もなかった。いやあってもあの役所のことだ、「男なんてみんなそんなものだよ」と諭され、「我慢が足りない」「ことを荒げるトラブルメーカー」と後ろ指をさされるのがオチだったろう。

 

今思い出しても結構な件数の多さと嫌がらせの多彩さに腹が立つ。

 

ジャニー喜多川の男色の噂、アイドル志望の美少年に対するハラスメントは公然の秘密だろう。日本のエンタメ界での影響力を考えると、カトリック教会の聖職者による男児に対する性暴力と比肩しうるスキャンダルだ。

 

男子にも女子にも、かなり若い、いや幼いうちからこうした被害を避けるための教育が必要だ。性善説にたって災いに合わなくてすんだ、などは完全に運を天に任せているだけなのだ。命綱を付けない綱渡りに過ぎない。

 

昨日の夏樹静子原作の「黒い帽子の女」では、二人のヒロイン床嶋佳子国生さゆりも養父や実の父親の性暴力の被害に合う。現実社会において表に出てないだけで、どれだけ同様の被害があるのだろうか。女の子とともに再婚する母親が、生活費を理由に夫の娘に対する性暴力を見て見ぬふりをするケースもあるようだ。

 

卑猥なことばを浴びせられただけや、ちょっと触られただけでもいつまで経ってもこれだけ腹が立つのだ。もっとひどい被害にあった女性(男性)の悔しさたるや。

 

LGTBは同性への性的嗜好を尊重する人権問題に焦点を当てることは必要だろう。同時に男女を問わず幼児の頃から性被害の犠牲になりうることを、もっと表に出して対策を考える時にきている。同性への性的嗜好は、同性への加害行為につながることもあるのだから。

 

幼児、未成年者保護より、もう少し組織的に対策を講じることができるのは、セクハラ、不倫対策だ。NHKのアナウンサーが同僚の女子アナのマンションを押しかけ、その部屋にいた別の男性アナと鉢合わせ、3階から飛び降り入院、退院を待って逮捕、というトホホな事件があったが、NHKはじめ、各企業、役所、団体の人事当局では、セクハラ、不倫について一般論ではなく、もっと具体的に自分が当事者になった時の心構えを教えるべきだ。

 

サスペンスドラマではちょっと滑稽な検事や監察医を演じる名取裕子だが、彼女の圧巻の演技は映画「序の舞」。駆け出しの女流画家上村松園が、画壇の先輩に性暴力を受けて未婚の母となった時、有馬稲子市川崑監督に言い寄られて妊娠し、堕胎を強要された時、水沢アキ森本レオの性暴力を告発した時、皆突然の想定外の出来事に多いに戸惑い、悩み、悲しんだはずだ。画壇も映画界もそして役所や企業も、あの時代から何も前進していない。そして、沖雅也が所属事務所の男性社長との関係で悩んで自殺した頃からも変わっていない。幼児の頃はもちろん、成人しても力関係から性暴力の被害に遭うこともあることに、男女とも心の準備が必要だ。

 

                          2023年3月5日記

「ひきこもりの日記」――サスペンスドラマ1

コロナに感染するのが嫌で、引きこもり状態が3年続いた。

ようやく、政府がマスクは自主判断に任せる、と言い出したけど、コロナに限らず、普通の風邪も含めてウイルスにどう感染するかを知ると、人混みで大声で話す人が多い場所では、マスクをしていた方が安心ではある。飛沫感染対策だ。

接触感染の可能性は低いといわれているが、手指のアルコール消毒は続けたい。指に唾液を付けてページをめくる人、鼻くそをほじくる人、指についた料理の汁やソースをなめてきれいにしたつもりの人。衛生感覚には個人差がある。

 

コロナ前から毎年2-3月はスギ花粉でマスクは外せなかった。2011年3月11日、東京でも死ぬかと思った東日本大震災の大きな揺れだが、この日はその揺れと揺れの瞬間までの強烈な目のかゆみとともに思い出す。私の花粉ピークは毎年3.11前後なのだ。

 

花粉を体内に入れないため、春らしくなってものんびり出歩けない、感染症の蔓延状況にかかわらずひきこもりを余技なくされている。3-4月の行楽の季節に丸2か月で歩くのを控える。出歩くと、くしゃみと鼻水と、何よりも猛烈な目のかゆみに苦しむことになる。75-80歳くらいまでのこれからの限られた健康寿命が毎年2か月奪われているということになる。一生満開の桜は楽しめない。舌下免疫療法では7割の人に根治効果があるそうだが、今年こそ賭けてみようかと思う。

 

3-4月はいやでも家にいることになるのだから、片づけ。残したい古い写真だけを選んでスキャンしてデジタル保存して、ネガと焼いた写真は捨ててしまおう、と思って早2か月。プリンター兼スキャナーのある部屋は寒い、というのが口実だった。暖かくなればこの口実は使えない。

 

昼下がりは、私のようにやらなければならないことがあるのに、別のことに逃げ込んで漫然と時間をつぶそうとする人が多いのだろう。テレビではサスペンスドラマの再放送を各チャンネルでやっている。地上デジタルでは平日はテレビ朝日だけだが、BSでは日テレ、TBS、テレ東、フジと各局がなにがしか再放送ドラマをやっている。晩年の橋田壽賀子さんは生前「相棒」を観ていたというが、大ヒットドラマの脚本を何本も書いて90歳を過ぎてのテレビ鑑賞。メイ・サートンというベルギー生まれの米国人詩人、作家(1912-1995年)は「独り居の日記」に、夕方にテレビ番組があるのでほっとすると書いている。彼女は講演旅行のない時は、昼間庭の手入れをし、夕方はテレビのチャンネルをひねったのだろうが、橋田さん同様、多くの創作を生み出してきた人だ。私はただ、漫然とテレビを見ているだけ。

 

ちょっと反省して、サスペンスドラマの感想でも書き残しておこう。

西村京太郎さんが亡くなって1年というので、今週は月曜から高橋英樹十津川警部を演じるトラベルミステリー何本か再放送されていた。2002年頃の作品で英樹さん若い。同じ時間帯に桃太郎侍もやっていて、吉永小百合浜田光夫と日活の青春映画に出ていた頃からのファンにとっては、美青年が中年になって貫録がついた頃の作品なのだと感慨深い。

余談だが、「歌舞伎の中の日本」という非常に中身の濃い本の第六章「任侠の原点―夏祭浪花鑑」で、著者の松井今朝子さんは任侠スターの関連で、高倉健が全く武士役が似合わない、けどヤクザ、前科者をやらせたら天下一品という趣旨のことを書いておられる。高橋英樹健さんとは対照的に、品の良い侍も貫録のある警部も似合っていて、塀のこちら側の役柄の俳優さんだ。亀さん役は亡くなった愛川欽也。もっと新しいシリーズでは高田純次も実直な警部の補佐役亀さんを演じているのだが、どうしてもちゃらんぽらんイメージがつきまとう。

西本役は森本レオで、芸能界のセクハラ疑惑で#MeTooと声を上げた水沢アキが干されたという噂を思い出す。更に余談だが、今週の地デジテレ朝で再放送中の内野聖陽の「ゴンゾウ」に出てくる筒井道隆(大好きな俳優さんのひとり)が介護する母親役が有馬稲子。映画監督市川崑にかどわかされ、中絶させられた超絶美人女優が「日経私の履歴書」に綴った恨み節を思い出し、改めてその悔しさを想像し共感を覚える。これも日本版#MeTooだ。

 

トラベルミステリーは日本各地の名所に電車で行くシーンが多い。電車で旅行したような気分になれる。サスペンスといえば夏樹静子の作品も人間模様、女の情念を深く掘り下げた記憶に残る作品が多い。毎週土曜日の佃次郎シリーズについては、また別の機会に書いてみることにする。

 

2023年3月1日記

 

生田斗真主演映画「告知犯」―山上徹也を想起した

好きなサスペンスもののテレビ再放映時間は、もっぱら家にいる者向けに昼間になっている。土曜の夜は時間つぶしに困ることがある。ネットフリックスにもwowwowにも加入していない者にとって、アマゾンプライムビデオが頼りだが、観たいものが少ない。それでも1か月400円ちょっとで時々見ごたえのある映画を鑑賞できるのは、配送無料と合わせて、まあ価値がある。

 

2か月ほど前に観た有村架純の「前科者」、2日前は生田斗真の「予告犯」。

いずれも観終わった後、ずしんと心に残るものがあった。自分の知らない日本社会の暗部を垣間見たような気がした。

 

2015年製作の「予告犯」は、2か月前の安倍元首相の暗殺容疑者の山上徹也の境遇を想起させた。

 

Amazon.co.jp: 予告犯: Prime Video

 

派遣の仕事に就くにも苦労する主人公とその4人の仲間。山上は単独犯だったようだが、映画は、父親が日本人だというフィリッピンから来た若者を含め仲間がいる。が、主人公は自分ひとりですべての罪をかぶり死んでいく。

 

山上は海上自衛隊を辞めた後、宅地建物取引士やフィナンシャルプランナーの資格を取っている。宅建は大学の法学部出身の自分にはそれほどハードルは高くなかったが、山上は奈良県有数の進学校出身とはいえ高卒だ。FPは経済学の知識が必要。これらを独学で取得した山上は、銃までYouTubeで作ってしまい、暗殺を成し遂げた。ターゲットをピンポイントに定めて。頭のいい努力家であることは間違いない。

 

映画の主人公も優秀でITに強い。生田斗真が演じるのだからイケメンでかっこいい。現実の山上は、犯行前は「恋人に捨てられ」た「非モテ」中年男なのだろうが、逮捕後は「山上ガールズ」と呼ばれる女性ファンが増える。「ハイスペックイケメン」という形容詞までつけてもらって、支援金が刑務所に送られてくるそうだ。東大卒の警察官を演じる映画のヒロイン戸田恵梨香は、絶命した生田斗真を抱きしめ号泣する。山上も罪を一人で背負い、7月8日以降日本の保守政治を揺るがし、統一教会は存亡の危機に面している(そうであって欲しい)。

 

山上事件は早くも映画化され、上映初日は9月27日の安倍さんのなんちゃって「国葬の儀」にぶつけるそうだ。安倍さん死亡の後、文句なしに20世紀の歴史を変えたゴルバチョフが亡くなり、9月19日には世紀をはさんで激動の歴史を歩んだエリザベス女王の、正真正銘の「国葬」が行われる。日本の天皇陛下だけでなく、なぜか岸田総理まで出席で調整中という。女王の国葬にはバイデン大統領はじめ、各国の要人が列席するのだろう。

 

山上が自分を映画「ジョーカー」になぞらえていたことから、秋葉原の無差別殺傷事件、京アニ放火事件、小田急線や京王線の電車内でナイフを振り回した犯人たちと同列に扱う識者も多いが、違う。単なる下級国民のリベンジ物語を突き抜けたヒーローなのだ。無暗に罪もない人にナイフを振り回したり、焼死させたりするのではなく、映画の生田斗真同様ターゲットだけを狙った。映画では調子のよい政治家もターゲットのひとりだ。

 

それにしても、豪華出演陣。戸田恵梨香窪田正孝は朝ドラ、鈴木亮平大河ドラマの主人公。濱田岳滝藤賢一田中圭。山上事件は9月27日公開の即席映画以外にも、裁判が終われば大物監督で映画化されるはずだ。豪華出演陣の秀作であることに期待しよう。

 

もう一つ。「予告犯」は漫画が原作だという。この映画を観た同じ土曜の夜、「まあ観るか」とチャンネルをあわせた「池上彰ニュースそうだったのか!!」で、デジタル版縦読み漫画市場規模が、かつてないほどの盛況だと伝えていた。自らストーリーを考え、筆1本でビジュアル化もする漫画家も、売れるまで派遣の仕事を転々としているのだろう。それでも売れる人ほんのひとにぎり。日本社会の暗部を見る機会も多いに違いない。「予告犯」はそんな漫画家の経験も反映されているのだろう。

 

(以上)

安倍さんがどうしても好きになれなかった理由1から4

1.国民の生命・財産を守らない。守るのは友だちの生命・財産のみ

政治家の責務は「国民の生命、財産を守ること」だった。長年政権の座にあり、日本国民の財産を絞りとる怪しげな団体の活動を阻止する力も地位もあったのに、辞任後も団体の代表を持ちあげ、不幸な日本人を増やすことに力を貸してきた。

 

暗殺事件後まだ数日しかたっていなかった時期、10歳前後で過酷な家庭環境に置かれた安倍さん暗殺の「容疑者に同情などいらない」と高岡読売テレビ解説委員長は、山上容疑者の家族問題に公共のテレビで色めきたっていた。

 

その一方で岸・安倍一族の3代目御曹司の家族への配慮を公共電波で「色をなして」感情的に求めていた。「安倍さんにも家族がいるんだ!」

 

この解説委員長は政治家の責務を語る資格はない。森友問題では、安倍さんは能天気な配偶者と「家族」ぐるみで国をかく乱した。最高権力者に上り詰めた政治家なら後ろから弾を受けることは覚悟の上で政権運営をしていたはず。その覚悟を共有するのが政治家の家族だ。いくら閣議決定しようとも「私人」ではないのだ。

 

総理大臣に上り詰める原動力になったのは、北朝鮮による拉致事件に熱心に取り組んだからとされる。日本人が日本国内から拉致されたことに対する怒りはあったのだろう。が、小泉訪朝後、5人の拉致被害者の帰国以降、日本国内から拉致された日本人の誰一人奪還できていない。拉致された曽我ひとみさんの米国人配偶者が北朝鮮から日本に送られてきたが、日本人被害者が戻ってきたのではない。ジェンキンスさんは米国からベトナムに派遣されて、脱走して北朝鮮にいたのだから。要するに拉致問題における安倍さんの実績はゼロ。

 

ウラジミール、と呼び掛けたプーチンと何度首脳会談をし、どれだけ協力しても北方領土は1ミリ平方メートルも戻らず、平和条約も結べていない。こちらも「やってる」感ばかりで、実績はゼロ。

 

国民の生命・財産(戦前、北方領土で生計を立てていた日本人は多いのだから、この方たちの財産は奪われたのであり、拉致されて北朝鮮で生死不明なんて、生命にかかわる問題だ)を守るどころか、統一教会の日本人信者を通じて、韓国に朝貢させることに多いに後押ししてきた政治家だったのだ。

 

2.海外で高く評価されるのがわからないー自由も民主主義も信じていない

現役の日本の内閣総理大臣だった頃、「(西側欧米諸国と)自由と民主主義という価値観を共有し」と高らかに、特有の舌足らずの早口で宣言するたびに、「あべさん、ホントにそう思っているの?」と首を傾げたものだ。

 

欧米先進国の王室は、私の知る限りあまねく女性も王位に就けるようになっている。が、安倍さんは女性天皇にも女系天皇にも反対だった。秋篠宮紀子さんが男の子を出産する前に、小泉首相が女性であれ女系であれ、とにかく皇位継承者が途絶えないような意見に集約させたいと有識者会議で発足させたとき、安倍官房長官は苦々しく思っていたに違いない。紀子さんの「快挙」をさぞ喜んだことだろう。

 

上皇陛下が天皇として戦地へ慰霊の旅に向かわれることだって、安倍さんは苦々しく思っていたに違いない。祖父の岸信介から、日本はなにも悪いことはしていない、と教えられてきたのだから。

 

その一方で、なぜか女性の経済・社会への進出を後押しするような姿勢を示した。旗振りのスピーチをするのが安倍明恵さん。笑ってしまう。森永製菓のお嬢さんで上皇后陛下が卒業された「聖心」とは違う「聖心ver.2」みたいな学校を経て、もちろんコネで電通入社、OLをへて政治家の妻になった女性である。森友問題では、ファーストレディは「私人」と閣議決定までさせた。ミニミニ統一教会のような、幼稚園児に教育勅語を暗唱させるけったいな夫婦に何の躊躇もなく担がれていた「思慮のない」女性である。

 

「いつも私(明恵)をかばってくれた」安倍さんは、間違いなく愛妻家だったのだろう。が、女性が皇位につくことは断じて許さないのである。

 

安倍さんは、日本経済を元気にする人的資源な女性だと確信していたと思う。が、天皇に女性が就いても日本経済は復活しないし、彼の頭の中では、女性が天皇なんて「美しい国」ではないのだ。

第一次安倍政権では「美しい国」なんたら、とスピリチュアルなことを言って撃沈したが、日本経済を立て直そうと首相の外遊に経済界の人たちを同行させて、商談をまとめる力添えをしたことは立派だと思っていた。1960年代、当時の池田首相がフランスのドゴール大統領に「トランジスタラジオのセールスマン」と揶揄されたという都市伝説が広まっていたし、首相が経済人を引き連れて外遊しなくても日本企業は十分競争力があった時代は、よその国の首脳が官民一体となって商談を進める例に倣う必要もなかった。が、日本経済の衰退が顕著になってきた時代の首相としては、安倍さんは当然やるべきことはやった。

 

活用されていない国内の人的資源=女性をもっと活用し、官民一体となって日本経済を盛り上げる。

この点と女性が皇位に就くことは断じて許さないことと、安倍さんの中では全く矛盾していなかったのだろう。

 

愛妻家の一方、女性を天皇には断固ノー。北朝鮮による拉致は許さないが、統一教会の日本人信者による韓国への多額の朝貢は大いに結構。矛盾だらけの政治家だった。

 

 

3.安倍元首相暗殺で、元首相が直接的、間接的に支援してきた統一教会の悪行が再び表に出てきた。

紀藤弁護士」がテレビに登場し、「ああ、あの人だ」と懐かしく思い出された。合同結婚式霊感商法紀藤弁護士統一教会と戦っていたことが良くマスコミに取り上げられた時代と変わらず、若々しく、昔と変わらず歯並びが悪い。

 

統一教会の問題はマスコミが取り上げないだけで、ずっとうごめいており、犠牲者がおり、今回の山上容疑者のような信者二世の犠牲者が次々と生まれていたのだ。

 

安倍さんは北朝鮮強行派で名を上げた。小泉政権時代、何とか帰国した5人の拉致被害者をまた北朝鮮に戻すと主張した田中均外務審議官を蛇蝎のごとく排除した。

 

靖国に参拝し、日本の戦争責任は鼻から認めてなんかいない(なんせおじいさんの岸信介元首相が、連合軍主導の極東軍事裁判A級戦犯とされたのだから)、村山談話なんか踏襲する気もない安倍さんだから、韓国に対しても厳しいはず、と思っていたら、なんとなんと、統一教会韓鶴子氏に敬意を表するなんて、ビデオメッセージで朗々と歌い上げているのだ。ま、「私とウラジミールは共通のナンタラを見」とか歌い上げた人だ。ロシアに沢山お金を取られて、何回首脳会談しても北方領土は1平方ミリメートルも帰らず。

 

日本の信者をATMとみなして、韓国(朝鮮半島)を植民地化した罪を償うために日本はずっと韓国に献金しなければならない、と考えている統一教会(のフロント企業)の代表にエールを送っているのだ。

 

山上容疑者は頭脳明晰だ。日本において統一教会の問題をあぶり出す上で、韓鶴子代表以上にインパクトのある相手に照準を合わせ、暗殺を実行した。怪しげな教団にエールを送るなんて、安倍明恵さんが森友学園に取り込まれたのと同じくらいの脇の甘さ。こんな甘い、後ろから銃弾を向けられることに想像力が及ばぬ人が7年以上も首相の座にいたのだ。

 

安倍晋三暗殺事件は多分映画化されるだろう。

 

4.普通選挙制度の虚を突く---統一教会の選挙への食い込みを招いた

岸田自民党総裁統一教会自民党等の関係を見直す気はなさそうだ。

萩生田政調会長はずぶずぶだったし、これからもずぶずぶだろう。

内閣総理大臣としては、複数の壺大臣任命に加え、杉田水脈を総務政務官に任命した。

 

岸信介安倍晋太郎安倍晋三と安倍ファミリーの三代にわたる統一教会との緊密な関係。安倍さんって嫌韓層やネトウヨを支持層に取り込んできたはずなのに、日本人は朝鮮半島植民地支配という罪を負っているのだから、日本人信者が統一教会を通じて韓国に金銭的貢献(贖罪)をするのは当然、と考える組織と仲良しだったのだ。

 

戦後20年くらいまでの「反共」「勝共」はまあわからなくはない。当時生まれた多くのヨーロッパやアジアの共産国家のその後をみれば、日本も韓国も資本主義を選択して良かったとは思う。

 

が、安倍晋三氏は政権にあった時は女性活躍社会をかかげ、おバカで奔放な妻を庇い、どちらが原因かわからないけど子どもには恵まれなかった夫婦だったが、「家族」に価値を置き、女性天皇女系天皇も反対。杉田水脈を寵愛するからには「選択的夫婦別姓」にも「LGTB・同性婚」にも反対の立場だったのだろう。中韓北朝鮮にも強気の姿勢だったが、実は韓国に朝貢する政治家だったのだ。

 

敗戦、占領軍主導の新憲法で、女性にも参政権が確保された。一人一票の選挙制度は民主主義の根幹だと思ってきた。が、候補者の選挙活動にボランティア(教団に指示されているのなら「ボランティア」ではない、とデーブ・スペクター氏は本質を突く発言をしている)として密かに近づいてくる怖さ。選挙に立候補するからには、一票でも多く欲しいのだ。それが選挙なのだから。そして、もう一票のために献身的に働いてくれる“ボランティア”。

 

加えてアメリカの政治の中枢ワシントンに「Washington Timesワシントン・タイムズ」と言う保守系の新聞を創刊した。ニクソン大統領をウオーターゲイト事件で追い詰めて失脚させた高級紙と言われるワシントン・ポストと混乱させる紛らわしい名前だ。

 

10数年前、英語の堪能な在日韓国人が米有力紙NY Timesの東京特派員が反日記事を書きまくっていた。深謀遠慮のステルス作戦だ。確か大西、オーニシOhnish特派員だった。

 

国連における大票田アフリカで、北朝鮮と代表権を競ってきた国だ。分断国家故の必死さ。この必死さを、民主主義大国、インフルエンサーの国アメリカで「反日」世論に導く原動力にも使ってきたのだ。

 

そしてそんな韓国の必死さを日本人信者のお金で後押ししてきたのが安倍ファミリーなのだ。どこが日本のために働いてきた政治家なのか。国葬なんてとんでもない。