人生の第三コーナーの衣食住

ライフスタイルブログ:インテリア、家のメンテ、ソーイング、失敗続きのパン作りなどをつづっていきます

人生の楽園-農家民宿とChatGPT

人生の楽園」と「小さな村の物語」

平日の夕方は、民放のニュースをちょっとだけ観て、簡単な夕食の準備をする。パスタ、焼きそば、おなかが空いていないとりんごとスープだけ、という日もある。翌日の朝食用のパンが少なくなってくると、パンを焼く。自動早焼き機能なら2時間。フォカッチャ風、乃が美風にもできる。

 

週末はそんな平日夕方のルーティーンが崩れる。まず6時から西田敏行菊池桃子が案内する「人生の楽園」を横目に、料理を作る。食べ始める6時半に、人生の楽園が終わる。イタリアの小さな村に住む人々を紹介するBS日テレの番組「小さな村の物語」に移る。ナビゲーターは三上博史

 

昔とうふと伝統的チーズ

3月11日の人生の楽園は、岩手で後継者がいなくなった昔とうふ作りを伝承しようと頑張るアラフィフのお母さんとその家族の話。イタリアの方は北イタリアアルプスのアオスタ地方のコーニュと言う村でアグリツーリズモ(農家民宿)を営む一家の話。オヤジと息子が、途絶えてしまった地元のチーズ再生に知恵を絞る。とうふもチーズも大切なたんぱく源だ。日伊両家族とも、それぞれ息子が二人いる。岩手はトラック運転手で、父が育てた大豆で母が作る昔とうふを全国に大型トラックで届けたい、と言っている。アオスタの息子は、農家民宿と酪農を嬉々として手伝い、将来その仕事を継ぐことを楽しみにしている。いずれの両親は嬉しいに違いない。

 

ChatGPTとたんぱく源

テレ東の先鋭的なビジネス番組では、ChatGPTが連日話題の中心だ。AIが人間とかなり自然な対話ができるところまで来ているという。昔とうふ、昔チーズ作りと対局にある。ものすごく賢い人にAi開発は任せて、普通の人はとうふとチーズで生きるんだ。天才もたんぱく源が必要なんだから。

 

自然に挑戦し、人類は進歩してきた。寒冷地でも育つ米、甘みの強い果物。干ばつや台風、害虫、土壌汚染にされるがままなら、飢饉で死者は絶えない。コロナのような感染症に効くワクチン開発も、自然への挑戦だろう。頭のいい人にこの分野は任せ、貧しくとも素朴に伝統食を守る、のも清々しいものだ。「ポツンと一軒家」でほぼ自給自足の生活をする人たちにも通じる。

 

市場経済と無縁の人々

人生の楽園」に登場する退職者は、市場経済貨幣経済の中で生計を立てているとは思えない。こちらも「農家民宿」をやっている人が多いが、恐らく週末一組の客がある程度だろう。海辺なら自分で釣った魚、山奥なら自分の畑の収穫物、それにご近所の人が提供してくれる野菜を合わせて宿泊客に提供している。ランチ営業する人生の楽園登場者の客もご近所さんばかり。多品種の特殊な(無農薬)野菜を育て、フレンチやイタリア料理店に納めている人がいるが、収入―経費=利益は出ているのだろうか?

人生の楽園」で紹介される人々の所得は課税最低水準約280万円を下回っていそうだ。それでも生活ができ、他人が納めた税金で行政サービスも受ける。こういう退職者が多くなれば日本人の給与水準が上がらないのも仕方がない。それでも、多様な生き方、生きがいは尊重したい。人間は、それぞれ役割があるのだ。凄い発明をする人(スティーブ・ジョブズ、カタリン・カリコ、ジェフ・ベゾス)がいる一方、アマゾンで注文した品を、きちんと手元に届けてくれる人も必要なのだ。これもドローンにとって代わられるのかも知れないが。

 

3月11日記