梅雨入り前の週末
コロナのせいか、お陰か、完全に仕事から解放されて1年余り。
毎日が週末のようなものだが、やっぱり世間の週末の雰囲気は伝わる。
まず、ゴミ出しをしなくてもよい。
収集車が回ってくる時間は大体決まっているので、朝8時までに出す日ばかりではないが、出せるゴミはできるだけ探して出そうガメるものだから、毎朝忙しい。
充電式クリーナーとルンバの両方にたまったゴミを、歯ブラシを使ってかき出し、新聞紙にくるむ。空になった分別ゴミ箱に次の袋をセットする。
「名もない家事」の連続。
平日は毎朝5時45分から寝ぼけ眼でテレ東のNewsモーニングサテライトを聞く。7時過ぎに終わる前に着替えて「ラジオ体操」を10分ほど。
週末はこのルーティンから解放され、少し朝寝坊。毎日ラジオ体操をやればいいのだが、ちょっとさぼってみると週末を実感できる。
朝食はジュースと、自分で生地を発酵させて焼いたバゲットに作り置きの具材(この時期は冷たいラタトウユがいい)を添え、キャラメルをかけたカフェオーレ。週末だと、もう一杯ブラックコーヒーを飲む。ネスプレッソで作る。
平日のワンコの散歩は9時15分からの実践ビジネス英語を15分聴いてからだが、週末はこのルーティーンがなくなり、早くなったり遅くなったり。
エサは、自分の朝食より先に用意するのだが、子犬の頃から、さあ散歩、という時にやっと食べ出す変なヤツ。
4月に12歳になったから、散歩前に勿体をつけるポチと「なんで、もっと前から食べとかへんのや」と叱る私とのバトルが12年続いていることになる。
家の外に出ると、出勤を急ぐ人の代わりにジョギングする人が目立つ。
道路は車より自転車の方が怖い。クンクンしながら右に行ったり左に行ったりして危ないので、緑道の中を歩く。
アジサイがいっぱい咲いていた。
緑道が途切れる部分は広目の歩道を選んで、リードを短くして歩く。歩道も自転車が怖い。特に週末は家族連れで自転車で出かける人が多くなる。犬がトコトコ歩いていても、子どもは自転車に乗れる嬉しさでスピードを緩めない。
駒沢公園はジョギングする人、遊具で子どもを遊ばせる人であふれていた。
都立のドッグランがあるのだが、コロナが広がっている中、犬同士の接触も居心地が悪いので、去年から「利用証」を更新していない。
1964年。ここで東京オリンピックの競技も行われたのだな。
延期された今年のオリンピック。予定通り催行なら、7月半ばから東京を離れよう。
ゆっくりと散歩したので、家に戻るともう11時。出発前に無洗米に水を加えておいた炊飯器のスイッチを押す。
その間、ワンコのブラッシングだ。
柴犬の毛が生え変わるのは、年2回のはずだった。空調のせいか、年に4回くらいある。3月の暖かくなる頃、毛皮を脱ぐようにごっそり取れたのだが、人間同様6月に向けてまた衣替え。
ごはんが炊き上がる前におかずを準備する。冷蔵庫のものを1週間単位で空っぽにするローリングストックができるようになったのも、コロナで自炊が増えたからだ。
ハナマサのカナダ産ポークをキャペツ、ニンジン、玉ねぎと一緒にローストした残りがあった。焼き立てはもちろん美味しいのだが、以前残りをレンチンして、肉が固くなったことがある。
今回は肉を野菜で覆い、冷蔵庫でジュレ状になった肉汁もかけ、加熱時間に気を付けてレンチンする。湯気が出て、香りが立ってきたところで止める。肉はしっとりジュージー。
もう一品は、これもハナマサで買ったタコに、モズク酢、キュウリの薄切り、桃屋の刻みしょうがと大葉をハサミで切って入れる。肉が脂っこいので、さっぱりと。
食事のあと、洗えるすべてのモノで食洗器を一杯にして回す。ガスコンロの五徳、ネスプレッソの受け皿等々。20年以上も使っているパナソニックの食洗器は今も健在。運転が終わっても2時間ほど扉を開けずにおくと、きれいに乾いている。梅雨時には重宝だ。
5月から6月への変わり目を、新しいゴキブリキャップに入れ替える時期と決めた。
毎年、この時期に取り換えればいい。
が、新しいものは効き目が出るまで置いてから10日ほどかかるという。
そこで新しいものに2021の21という数字をマジックで書いた。
10日経ったら、数字の無い方を捨てればいい。
夕方の犬の散歩まで、ピアノを弾いてみる。
1か月以上前からショパンの「幻想即興曲」に挑戦しているのだが、難しい。
色々な人が弾き方を丁寧に教えてくれるYouTubeの動画を見る。
この曲に限らず、「さわり」だけそれらしく弾ければいいのだ。いくつかの有名な曲のさわりは、楽譜を見なくても弾けるようになったが、「幻想即興曲」は格別難しい。
弾けると「ドヤ!」という顔ができるけど、先は長い。
ワンコの朝の散歩が長かったので、夕方は15分程度。
緑道では半袖の腕を蚊に刺された。
帰宅してから、蚊よけスプレーを小さめのボトルに小分けして、ワンコの散歩バッグに入れておいた。次は、さっとスプレーしてから出かけよう。
18時からはテレ朝の「人生の楽園」。
50過ぎての早期退職や定年後に、パン屋、古民家カフェ、ペンションを開いたり、農業にいそしんだりする人たちが紹介される。大抵は夫婦だが、多摩の方で一人でチーズ作りしている女性が紹介される回もあった。
積極的に集客するわけでもなく、年金に加え、若干の現金収入があればいい、野菜なんかは自給自足で、という生活だ。
こういう高齢者が増えると、ますます日本経済は停滞するし、物価も上がらない。
ほぼ自炊だった5月の私の出費も低く抑えられた。
ワクチンを2回打ち終わったら、二重マスクをしてあちこち旅行に行きたい。高齢者の仕事はお金を貯めることではなく、使うこと。
味の素がスポンサーの「ごはんジャパン」になると、音を聞きながら自分の夕食の準備をする。昼は肉系で炊き立てのごはんを2膳食べたので、少し軽めにしよう。
「成城石井」で800円以上したモッツァレラチーズがあったから、トマトと庭のバジルでカプレーゼに。
モッツァレラの中央がミルクのようなブッラータ。成城石井ならあるだろう、と思って行ったのだが、なかった。代わりにこのモッツアレラとリコッタチーズでお会計は2000円ほど。イオンに行けば、同じ額でもっと色々なものが買えるのに。
カプレーゼやニンジンのラぺには、「エクストラバージン」と付いた高めのオリーブオイル。加熱するときは「エクストラバージン」が付かない安い方を使うのだが、どちらも香りは同じ。
それよりも、10年近くチビチビ使っている、かなり高かった年代もののバルサミコ酢で味が決まる。甘くてコクがある。飾りもかねて、ブルターニュの粒塩をかける。
週明けの月曜の朝。イオンが空いている時間帯に行って、トップバリュ―のブッラータを買った。こちらは70グラムで400円ちょっと。プラスティックゴミに入れる成城石井のイタリア直輸入のチーズの袋を確認したら、125グラム。確かにどっしりとしていて食べた!感があった。
イタリアから空輸されてくるのだから、大量のエネルギーを使って、環境負荷が高い。
国産牛乳のイオン製の方が量的にはピッタリだ。ブッラータというからには、中からトロリとミルクが出てくるはずなのだが、その点がちょっと物足りない。
月曜朝のワイドショーは、週末渋谷で路上飲みをしている若者たちの姿を伝える。私のようにドラマのない週末を過ごしていている者はニュースにはならない。
(おしまい)