人生の第三コーナーの衣食住

ライフスタイルブログ:インテリア、家のメンテ、ソーイング、失敗続きのパン作りなどをつづっていきます

お金があっても志がなければー今日の「ポツンと一軒家」も良かった!(2019.03.24作成)

3月24日の「ポツンと一軒家」。当然民家だと予想して熊本の山奥を行くと、「鳥飼」という米焼酎の工場だった。きれいな川の水と上質の白米が焼酎の品質を決めるとのこと。山奥を産廃業者が買い取るという噂を聞き、幼いころの遊び場だった、透明な川を守るためにも、工場の回りの広大な敷地を鳥飼の社長さんは19年前に買い取ったという。

 

いかにも高級そうなレンジローバーに乗って現れた鳥飼社長は70歳。作り酒屋の7男坊に生まれ、画家になりたいと上京したものの、24歳で先代が亡くなり、後を継いだという。実におしゃれで、ダンディと言う表現がぴったりの老人だった。きれいに櫛がはいった白髪、口ひげを手入れし、端正な顔に似合う控えめな眼鏡、均整のとれた体付きに姿勢のよさも相まって、黒い山高帽、黒いタートルネックにチャコールグレーの上着、グレーのジーンズに磨きこまれた黒い革靴が絶妙な、実に小粋な社長さんだ。所ジョージさんも、思わず「カッコいいね」と漏らしていた。

 

そのおしゃれ度とともにうれしいのは、生まれ育った山河を守ろうとする「志」だ。お金があっても、賭け事や女性につぎ込んで破綻する男性もいる。「山を守らないと川を守れない」と、お金をつぎ込んで美しい自然を維持しつつ、家業の焼酎醸造を発展させている。日本の地方にこんな人もいるのだ。

 

山中先生とはまた違う、素敵な男性の話だった。  (了)